花枝の三味線ブログ〜小唄の師匠は考えた〜

土佐の高知で三味線の演奏・指導をしている花枝のブログです

なぜ正座?舞台の神様にお尻をつけてはいけないから正座するのだ!

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公開日:2017年2月1日/更新日:2017年4月3日

 

こんにちは。

正座が苦手でも三味線の先生やっています、花枝です。

 

前回の記事で

「私は本当に正座が苦手!」

といったことを書きました。

 

今回は正座の歴史や、なぜ正座をしなくてはいけないのか?

ということを書いてみます。

それでは、いってみましょう。

 

 

正座がつらいのは割と多くの人々が感じていることなのでは?

前回の記事にて

「私は三味線演奏者ですけど、マジで正座苦手なんですよねー。」

と書きました。

www.hanae-chiritote.com

 

そうすると、

「意外です!」

「三味線の先生も正座が苦手なのですね。ちょっと安心しました!」

とのコメントや

「実は私も正座が苦手です…」

といったコメントも頂きました。

 

私はこれまで正座が得意、もしくは好き好んで正座をしているという人に、あまりお目にかかったことがないのです。

ですので、頂いたコメントを見て本当に安心しました。

 

今回は私があまりにも正座が苦手すぎて

「いや待てよ。

そもそも正座って絶対しなくちゃいけないものなのか…?」

と無駄に考えをめぐらせた結果、自身で聞いたり調べたことを書くことにしました。

 

元々はあぐらや立膝で生活していた日本人

中国の春秋戦国時代ごろの正式な座り方が「正座」であったと言われています。

 

その後日本にも正座が伝わったのが、奈良時代ごろと言われています。

 

ですが、当時は

  • 神仏を拝む時
  • 征夷大将軍に謁見する時

など、かなり限られた場でのみ、正座を正式な座り方として採用していたそうです。

 

庶民の座り方は依然としてあぐらをかく座り方か立膝でした。

男女の関係はなく、正座は日常の動作ではなかったそうです。

 

正座が正式な座り方になったのは江戸時代

正座が正式な座り方とされたのは江戸時代以降。

小笠原流礼法の影響からで、江戸時代初期は目下のものが目上のものに接する際の礼儀として正座をしていたそうです。

その後は畳の普及とともに、江戸時代中期ごろからは正座が庶民の間にも広がっていきました。

 

ただ、当時は「正座」という言葉はなく、「かしこまる」「つくばう」と言っていました。

「正座」という言葉と概念が生じたのは…なんと、明治時代ごろだそうです。

 

 

なアーーーーんだ!そんなに歴史あるものじゃないんだね!!!!安心したよ!!!(←何にだよ!)

…というのが私の印象でした。

 

ちなみに上記の雑学は「日本正座協会」の正座にまつわる小話にも似たような話が載っていました。(ネットで初めて知りました…そんな団体があったなんて…!)

知りませんでした。勉強になりました…。

 

ちょっと待って!三味線が日本に渡ったのは戦国時代よ?

そこで疑問が一つ生まれました。

三味線は正座が一般的になる前に、もうすでに日本に渡ってきている…

ということです。

 

三味線が日本に伝来したのが、桶狭間の戦いのあたりであったと記されています。

となると、正座が一般に浸透した江戸時代よりも昔のことです。

 

ただ、三味線が日本に渡って今のような形になるまで、数十年の改良を重ねる必要がありました。

実際に三味線が一般庶民の間に文化として広く知れ渡るのは、やはり江戸時代ごろです。

 

おそらく正座の風習が広がった時代と、三味線が流行していった時代はリンクしていたのではないかと思います。

 

もしかしたら三味線が伝来したばかりで、演奏方法を試行錯誤していたころは、あぐらをかいて三味線を演奏していたかもしれませんね!

 

…と考えていたら、Twitterにてこちらの情報を頂けました。

ありがとうございます!

 

 

このころはまだ三味線の演奏もかなり手探り…試行錯誤状態で行われていたと思います。

「正座で演奏するもの」という固定概念がなかったんでしょうね。

そういえば、沖縄の三線もあぐらをかいて演奏するイメージが強いです。

 

神様の住まいにお尻をつけてはいけないから正座?

さて、私はかつて茶道のお師匠様に

「どうして舞台or和室で正座しなくてはいけないのですか?」

という疑問を聞いたことがあります。

その時の答えをご覧いただきましょう!

 

「舞台や和室に限らず、土地には神様が住んでいるので、その神様の住まいにお尻をつけることは許されません。

なので、お尻と舞台(畳)の床の間に足を挟み、お尻をつけないようにしているのですよ。」

 

うう〜ん、納得できるような…

土地に神様がお住まいになっているという概念は日本的だな、と思います。

 

邦楽や伝統芸能に関する著書も出されている竹内道敬先生の

「日本音楽の基礎概念」

というご著書を読み進めていくと、それに似た説明もありました。

 

中国から伝わった雅楽はあぐらをかいて演奏する。日本発祥の舞台芸能はあぐらのように尻(穢れた部分)を直接床につける座り方よりも、正座をするほうが文化的にも馴染みがあったと思われる。

(本文を要約したものです。) 

 

お尻をつけてはいけないから、正座をする…。

それなら座布団敷けばいいんじゃないかな?と思った私は、やはり伝統芸能に向いていないのでしょうか…。うーん…。

 

正座するのが当たり前!じゃなくて、それに疑問を持つことが大切だったなと

結局自分でまとめたり、本で調べたりして思ったことですが

「伝統芸能…というか、和の世界はどうして正座しなくちゃいけないの?」

これ対しての正しい答えはいくつもあると思いました。

 

ここには書きませんでしたが、身体の中心が定まる…とか、精神が安定する…とか、邦楽の面から言うと発声がしやすくなる…などの理由はあります。

そして、そもそも和服があぐらをかくようには作られていないので、和服を着て演奏することがもうすでに正座することとイコールで結びついているのだと思います。

 

ただ、それを

「正座はするものだから、正座しましょう!」

と言われて、「はい、そうですね!」と納得するのではなくそこに疑問を持って自分で納得する理由や答えを探すのが楽しいのだと思います。

 

まあ、それする暇があったら少しでも長く正座できるように座ってれば?と言われそうですけど!

  

正座が必須じゃなくてもいいんじゃない?

人の身体にはそれぞれ特徴がありますので、体質的に正座があってない人もたくさんいるのではないでしょうか?

 

「日本人は下半身の筋肉が付いていない人が多く、そのため膝に負担がかかりやすく膝を壊しやすい」

…という話を、トレーニングの先生からも伺ったことがあります。

 

「正座ができない人は伝統文化に通じられない!」

とは思いませんし、正座ができなくても楽しめる方法なんていくらでも考えられると思います。

 

正座が苦手な人でも気軽に三味線などの和の伝統芸能を楽しめるようになればいいですよね。

…と思い、私の三味線教室は椅子か正座か選べるようにしています。だって自分がつらいからね!!

 

以上、正座についてのお話でした。

 

 

関連記事

 ★正座が苦手です。

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★三味線の伝来と沖縄の三線について 

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★三味線が日本に渡ってきた頃の話 

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★三味線演奏は着物でするだけではありません。

そうなると演奏の姿も、正座だけではなくなります。 

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